講演を終えて・丸山純子先生 藤井未来先生 ④(2013-07-23 17:27:25)

=江東歯科技工士会での講演を終えて=
   歯科技工士・鍼灸師  丸山純子先生

今回頂いたお題は「女性歯科技工士が長期勤務出来るには」というものでした。
お話をいただいた時は、私の話で何が得られるんだろうか?と頭を捻りましたが、裏を返せば、それは私が素晴らしい師匠に恵まれ、そして復職後も子育てや介護、そして学業を続けながらも社長や院長が上手に使ってくれていたということです。周りを見回すと非常勤という働き方が、技工界では一般的ではないのだと認識するに至りました。 私が今まで細々ではあっても、大好きな技工を続けてこられたことは、師匠である社長のおかげ、そして院長の人を使う経営手腕のお蔭だと思っています。お世話になった社長や院長に感謝しそのご恩返しとして、女性歯科技工士の技術力が社会に生き続けるためのお手伝いができればと思いお話しさせて頂きました。

実は今回1時間ほどの話をさせて頂いたものは、2年前に娘の通う女子高で「働くお母さんに話をしてもらう」という企画で白羽の矢が当たり、進路に悩む高校1年生の女の子の為に作った20分のパワーポイントが下地になっています。高校生にとって、大学や専門学校など、次のステップへの目標は目の前の大きな課題ではありますが、目の前の目標を立てるのと同時に、女性の長い人生において「変わりゆく人生状況の中で様々な決断をする必要がある事」「目の前の決定事項が一生を通して不変では無いこと」などを知って欲しくて話をさせて頂きました。

今回の技工士向けの話は、より具体的にどうやって人生の岐路を選択し、乗り切って来たか?と共に、若い技工士の皆様と、雇用者側の皆様へのメッセージを織り込んだ内容とさせていただきました。人生でこれが正解!!という決まった形は無いと思いますが、私の歩んできた道が「そんなやり方もあるんだ」と思っていただけて、人生の選択肢として一つ加えていただける事が出来たならば幸いです。

女性の人生には生きる上で沢山の課題があり、岐路があります。それは結婚であったり、出産であったり、子育てであったり、そして介護であったりと様々です。技工人生に行き詰まったり、目標を見失ったり、初めに出した条件と合わなくなったりと何らかの壁にぶつかった時、「みんながこうだから」「きっと出来ないだろうな」「私には無理だろうな」「どうしたらいいかわからない」そんな風に思っている人がいたら、是非自分に問いかけてみて下さい。
「技工が好き?」「続けたい?」「何が出来る?」「どれくらい出来る?」「どうやったら出来る?」
もし技工が好きで続けたいと思うのであれば、自分の思い込みを一度取り去って、周りとのバランスを考えながら新たな一歩を踏み出してほしいと思います。そして良い仲間を沢山作って一人でも多くの技工士が様々な形で技工を続ける事が出来れば技工界のこれからの可能性がもっと広がるのではないでしょうか?

今回職場の院長に講演の報告をさせて頂いた時に「え?技工士ってパートさんは一般的な働き方じゃないの?」と驚かれました。
そう言われて見回してみれば、私の働く歯科医院では、歯科医師も、衛生士も助手も非常勤の人が複数いて、そこに技工士の私が非常勤で入って上手に歯科医院が回っています。立場が違う院長のその一言で、技工士の働き方に固定観念を私たち技工士自身が作ってしまっているのではないか!?と再認識しました。実力があるのに、技工が好きなのに、結婚や出産を期に技工から遠ざかってしまう女性歯科技工士がもっと柔軟に働ければいいのに、と思わずにはいられません。その技術が勿体ないかぎりです。

もう一人の講師でいらした藤井先生のお話の中で、お子さん二人を育てながら、色々な事に悩みながらも、自分が何をしたいか、何が出来るか、どれだけの事が出来て、そして母親として譲れない事がなんなのかをハッキリと提示された事は本当に素晴らしいと思いました。技工士としてお金をいただくということは、技工物に対して責任を持つということです。患者さんの口腔内に入る技工物に性別はありません。主婦だからと言ってオマケはありません。その責任を担うためには、藤井先生のように自分の実力と条件を提示できることが第一ではないでしょうか?これは技工士だけの話ではありませんが、給料交渉は雇用者と自分との一対一の交渉です。社会人として自分自身を見つめるチャンスでもあります。雇用者と被雇用者が双方納得できる条件で働ければ、正社員と同じ条件での雇用でなくとも、気持ちよく仕事が出来るのではないでしょうか?

今回このお話を頂き、自分の人生を再び振り返り、人は一人で生きているのではない、と強く思いました。自分で頑張っている時にこそ近くで支え、そして助けてくれる人がいました。それに気が付くきっかけを作ってくださった江東歯科技工士会の方々に感謝です。当日までの準備、そしてこのようなまとめの段階までお世話になった事をこの場をお借りしてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

(江東技工士会広報誌より)












=江東歯科技工士会での講演を終えて=
   歯科技工士・ 藤井未来先生

先日私の拙い話を聞いて頂きありがとうございました。予想以上の多くの方に足を運んで頂き、少し不安でもあったのですが、何とか無事に終える事が出来ました。綿足はともかくご一緒させて頂いた丸山先生のお話がとても素晴らしく感動しました。介護の話も含まれており、やはり自分より少し先に行く先輩のお話はとても為になります。共感する部分が多く、後からいろんな方に「一番うなづいて聞いていたよね」と言われて、ただのお客さんになっていた自分に気づかされ、お恥ずかしい限りです(笑)。そして何より嬉しかったのは、終わった後の懇親会で皆さんから頂いた講演の感想や、たくさんの方から頂いたメールやメッセージでした。私の話に涙して下さった方たちは、必ず悩みや思いががある方だと思います。自分でけじゃないということを逆に気づかされ、たくさんのパワーをもらいました。そんな貴重な体験をさせて頂いた江東歯科技工士会さまに心より感謝しております。
ありがとうございました。

(江東技工士会広報誌より)