女性歯科技工士ラボ経営者からの発信-④(2012-08-09 13:08:50)

「女性歯科技工士ラボ経営者からの発信」

≪井ノ内 由布子さんの講演から≫

私は開業して今年で16年になります。歯科技工士になり21年になりますが、大きく分けて変革期が3回あります。
一つ目は歯科技工士学校を卒業して開業までの時期、二つ目はラボ設立の時期、三つ目はそれからどうしようかとと考えた時期。高校を卒業し、浪人をしていた時期に大学へ行くより手に職をつけた方がいいという気持ちが強くあり、専門職の雑誌を読みあさり、どのような仕事があるかを見ました。その時に知ったのが歯科技工士の仕事で、 [ああこれなら自分に合っているかな]という軽い気持ちで歯科技工士学校に入学しました。学生時代には国家試験に受かれば良いと、遊んでばかりいましたのであまり勉強はしませんでした。

何気なく面接に行ったところ採用され加工をずっとやってきました。最初に勤めた歯科技工所は大半が保険の仕事で自費は1割程度で普通の歯科技工所でした。

1年目はインレー、コアと模型作り、早くクラウンをやりたいという気持ちが先走っていて、ポーセレンの築盛も覚えたいと2年目に早稲田トレーニングセンター(横浜校)に行きはじめました。
週3回午前の授業でそれが終わってから仕事に向かうという生活をしていました。夜中まで仕事をしてそのまま朝を迎え早稲田トレーニングセンターへ行くこともありました。仕事が出来るようになってくると、どのような歯科技工士になるか考えるようになってきました。
 
http://www.youtube.com/watch?v=HFDKMTGWn6Y

 

 



 

卒業後に歯科技工所ケイテックスに勤務、ここなら自費の仕事が出来ると思っていたのですが、クラウンブリッジの仕事であり、ポーセレン築盛の仕事は回ってくることはなく、これでは依然勤務していたところと変わらないと思い、自分が作ったものが口腔内でどのようになっているのか疑問に思い、院内ラボに勤務したい気持ちが強くなり、探しました。

しかし院内ラボの求職はほとんどなく、それなら開業しよう。開業したら診療所へ行ってセットするところへも立ち会えるだろうと安易な考えで開業することにしました。まづ最初に何をすればよいかと考えたときに、歯科材料店が熱心に話を聞いてくれ、機材なども相談に乗ってくれました。貯金は100万円くらいしかなく、中古を含めて買えるものを安く買って、あとはリースを組むと良いと教えてもらった。当時はサーフィンをやっていたので海に近いところ、鎌倉がいいと思ったのですが家賃が高く、本郷台の山の中の平屋の一戸建て家賃7万円で車が一台停められる駐車場付きの物件を借りました。間取りは2Kくらいで6畳と4畳半で流しがあるようなところでした。
マンションも考えたのですが苦情が出て引っ越すにもお金がないので苦情のなさそうな場所を選んだ。技工机は中古の事務机で引出しに穴を開けバキュームを使えるようにしました。
このときは保険の最低限の仕事が出来るような設備しかなったのですが、一応ポーセレンファーネスは4畳半に置いた。
仕事が多くなり技工士を入れようと思い学校に声掛けしたところ技工士2人が来て、配達のパートを含め4人でやる事になった。しかし仕事は安定せず知り合いの先生もいない事から飛び込み営業に、自分でサンプルを作りサンプル模型と料金表持っていくも知らない歯科技工士が仕事をくださいと行ってももらえません。このころは自費の仕事は1割くらいしかなく歯科医院ごと好みに分けて作る事でした。