オリンピック開会にあたり(12-07-30)

JOCより国会に要請いただき、このたびのオリンピック・ロンドン大会に副団長として参加しています。

古代オリンピックは単なるスポーツの祭典ではなく、神から頂いた肉体を全人格的形成でもって、さらに素晴らしいものに作り上げ、神に捧げるということから始まりました。近代オリンピックは、その精神を引き継ぎ、一層研鑽を重ねてまいりました。また、五輪の輪は「五大陸を一つに結びつける」という平和の象徴の意味が込められています。この理念に基づき、私達は文化の交流を図り、強い肉体をつくりあげ、勝敗だけでなく勇気と希望と感動を人々に届けたいと思っています。それは一つの教育であり、人材育成の過程でもあります。オリンピック・ロンドン大会でその一端を担いたいと考えます。

 今、わが国は昨年311日に発生した東日本大震災という大きな壁にぶつかっています。この壁を乗り越えるには、大きな夢に向かっていこうという機運が必要です。被災から1年以上が過ぎ、物理的な復興の姿は見えてきましたが一番難しいのは心の復興です。心の復興を何よりも力強く支えることができるのは、スポーツだと思います。その一端を担うために夢と希望と感動のオリンピックを将来の日本の子ども達にしっかりとした姿で示したいと考えています。

また、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致が実現すれば、日本に新たな経済効果がもたらされるだけではなく、自然や環境、エネルギーなどの問題をクリアするための新しい科学技術が駆使され、これからの国づくりの勢いも増すことと確信しています。

多くの国民の皆さんが大きな期待をし、注目されるオリンピックですから、一丸となってチームジャパンの力を発揮するつもりです。ただ、運も実力のうちと言います。選手を支えるスタッフの思いやりと心配りの力が、選手への大きな運、あるいはツキをもたらします。今回、わが国の選手団は、金メダル獲得数5位を目指しています。持てる力を尽くして選手がパフォーマンスできるように、私たち本部役員も最善を尽くす所存です。

 バンクーバー冬季オリンピックでも団長を務めさせていただきましたが、役員や事務局は、選手のために何をすべきか、ということをいろいろな方向から考えていなければならないと実感しています。選手が大きく飛躍し、輝けるオリンピック・ロンドン大会にしたいと思いますので、ご協力、ご指導賜りますようよろしくお願い申し上げます。